佐用町昆虫館オフィシャルブログ


by konchukan1

6月25日(土)の昆虫館

1日館長: 竹田 真木生
来館者:42名。姫路市が多かったです。

10時ちょっと前に現地に到着すると、
サブ館長の杉本先生と
東大阪からのご家族、「博士」と呼ばれる息子 さんを含めた3人組が到着されていました。

午前中は、虫むし広場から右に入っ た登り道に沿ってこの家族に同行し、
ハラビロトンボのメスと青いオス(成熟したもの)、未成熟のメス型のものなどをとりました。
ヤゴも蛙のオタマ と一緒に沢山いました。

直翅は、コガタコオロギのオスと、ヤブキリ、ヒメギスの若虫、
他は、きれいなムシヒキアブ、アオマダラタマムシ、ゲンジボ タルなど。

ケヤキ(かな?)の上に、
Saturnidaeの幼虫で上側と下側のツートンカラーになった大きい幼虫がいました。
ちゃんと上は濃い緑 色、下半分は葉裏の薄い色に対応しています。
擬態のすばらしい例です。

この家族は、川にも下りていました。

館内は、網室内に外のカシから清水さん が移した大きなサクサンの幼虫がいます。
カブトムシも蛹室に上向いて蛹が、
羽化の時を待っています。

サナエトンボは午後館内に飛来したものを清水さ んが撮影しました。
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前のエノキにゴマダラチョウのメスが産卵に来ていまし た。
展翅を試みたのがこども2人でしたが、
お絵描きはなしです。
カウンターのうえの生きた虫が少なめです。

湿度が高く標本室の床は濡れてつるつる。
滑らないように注意してください。
午前中、東さん、午後野村先生、清水さん、神崎さんが来られました。

今翻訳している本の中に、木の上に産卵 する蛙の仲間で、
ヘビがやってくる振動を感知して、まだ未成熟のまま孵化するものがいる。

これは小さくて形も異なるオタマジャクシになる。
食われるリスクと小さく弱いオタマになるリスクのトレードオフがある。
こういう記述があるのを覚えていましたが、
野村先生が、
運搬車のステンレスのきら めきを、
水と勘違いしたモリアオガエルの卵塊を水路の水に落としたところ、
まだ腹に卵黄を付けて白っぽい小さいオタマが多数泳ぎだしました。

もう少しエイジの進んで孵化する状態に達した個体はやや大きめで全身が真黒です。
わたしたちの周りにも、
進化生態発生学の興味ある出来事が沢山あるのだ、
ということを知り、うれしくなりました。

この早熟のオタマがどうなるかを見守りたいと思います。

落ちた水路にはイモリがいたので食べられてしまう可 能性が大きいですが、
運が良ければ、
報告された蛙がこのようなケースの唯一のものでなく普通に起こることなのだと
いうことが示されます。

ついで に、成虫の形や行動も観察しておくのがいいと思います。
最近の生命の考え方に、
エピジェネティックス(環境が、遺伝子やDNAを巻き上げているヒストンタンパク質を
修飾してしまい、これが、世代を超えて受け継がれる)という考え方が、
大きな流れになってきています。

一見ラマルキズムのようなことは起こるのだということは、
ドーキンスのような人の主張とは逆に、普通の現象として認められてきています。
石亀の卵が気になりますが、
無事産まれ、
生まれてくるといいですね。
どうぞかめくんわれらの夢と希望を未来につないでください。
そういえば時間泥棒と戦うモモちゃんの案内にもカメさんが 登場しますね。
ヤマカツさんどうぞカメさんを守ってやってください。

(報告:竹田 真木生)
Commented by ヤマカツです at 2011-06-29 18:23 x
竹田先生:

ご翻訳終わりましたら
ぜひまた拝読させてください。
進化生態発生学、とても興味深いです。

ペット放流の新大陸産のアカミミガメが
日本の在来自然の中でたくさん自然発生して、
在来カメのニッチを奪ったのか、
日本在来のカメ類は本当に少なくなっているようです。
もちろん環境の変化などにも
原因はあると思いますが。。。

嬉しい事に佐用町にはまだ
日本固有種のニホンイシガメが棲んでいます。
昆虫館でも地元、佐用町産を
ぜひ繁殖成功させたいですね。
小さな子ガメは本当にかわいいです。

エンデも亀を飼っていたのでしょうか?
亀はなぜか皆さんに好かれる
愛嬌のある生きものだと思います。

ヤマカツ
Commented by konchukan1 at 2011-07-01 15:06
ヤマカツさん。これからはカメカツさんと呼びましょうか。
(ミキシンこと、むしのおっちゃん三木進)
Commented by 東大阪より at 2011-07-02 11:15 x
こんにちは
先週は暑い中ご指導いただきまして、
ありがとうございました。
おかげで親子ともども、多くの発見と感動を頂戴いたしました。
「今日は天国に行った!」と、
“自称博士”の息子の気に入り用は凄まじく、帰り道から次回の訪問を楽しみにしておりました次第です。

また、エピジェネティックスというお話があるのですね、大変面白く拝読させていただきました。
頂戴した卵黄付きのオタマくんと我が家の5才児の成長がますます興味深くなりました。(笑)

子供の好奇心に振り回されつつ、今まで知らなかった世界を親も楽しませていただいております。

またどうぞよろしくお願い申し上げます。
Commented by konchukan1 at 2011-07-04 14:11
昆虫館は、いろんなメンバーが担当しています。
その、多彩さを理解していただいたようで何よりです。
自然と人間の宝庫です。
ぜひ、何度も遊びに来てください。
(むしのおっちゃん)
by konchukan1 | 2011-06-27 10:57 | 佐用町昆虫館日誌 | Comments(4)