佐用町昆虫館オフィシャルブログ


by konchukan1

5月14日(日)の昆虫館

一日館長:竹田真木生、サブ館長:野村智範
天気晴れ
来館者:42人

掃除された水槽には魚のほか、
ゲンゴロウ、タガメ、コオイムシのビオトープ。
タガメ産卵用の石槌のようなものが、
ひっくり返しに手の部分を水上に挙げた形で突き出しています。
これはもう芸術の領域に達しています。

外も、ジャコウアゲハ、オナガアゲハ、カラスアゲハなどの黒いアゲハ類のほか、
テングチョウも入口のところを飛び交っています。

モリアオガエルとシュレーゲルの雄が外では歌合戦をし、
モリアオガエルの卵塊が2つ、いつものところの木の枝からぶら下がっています。
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こんな体色のも。
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入口のアベマキに久保さんがつけた天蚕幼虫は、
だいぶん大きくなっていますが、もう一回脱皮して繭を作ると思います。
みどりのきれいな幼虫です。
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ケージのほうには竹田が放した柞蚕が13匹大きくなってきています。
黄色い色なのですぐわかると思います。
これも、もうすぐ営繭画始まるでしょう。

天蚕と柞蚕は近似種で、交配も可能ですが、
生活史が違います。
天蚕のほうは、卵で越冬し、蛹で休眠しながら越夏しますが、
柞蚕は休眠蛹で越冬し、1年1世代または2世代します。

この休眠の制御には光周期がかかわっていて、
長日下で育つと非休眠蛹となり、世代が継続されます。
秋、短日下で育ったものは休眠蛹となり越冬し、
春に日長が長くなってくると、脳が活性化されて休眠が終結します。

天蚕(ヤママユガ)のほうは、
夏に眠るので、これは短日型の光周反応があって、
日長が短くなると休眠から覚めてきます。

これとよく似た生活史を持ったものが、
テグスをとるクスサンで繭は透けていて、スカシダワラと呼ばれますが、
今、佐用では栗の木に1cmくらいの黒い幼虫が現れています。
これは、大きくなると水色になり白い毛のたくさんはえた、
「白糸太郎」または「白髪太郎」と呼ばれる毛虫になって、
秋にはたくさん連なって木から降りて、
なかなかものすごい風景になることが多いですが、
今年もたくさんの幼虫が現れています。

山門側のアサギマダラの姿は見られませんでした。

アオバセセリの蛹は、
頭のところに大きな穴が開いていたので、ヒメバチが中から出たと思われます。

建物入口のところのアリヂゴク園は、
とてもいいアイデアだと思います。

大勢の子供が触ってい楽しんでいました。
蟻地獄は英語ではantlion、
中国語では蟻獅子でイースと呼ぶのですが、同じ発想ですね。
蟻地獄は後ろ向きにしか歩けず、
歯をスコップの替わりにして砂を背中の方向に放り上げ、
回転しながらすり鉢を掘っていきます。

蟻地獄には、肛門がなく、成虫になってからためぐそをします。
ふぐ毒のテトロドトキシンをしのぐ猛毒を獲物に打ち込んで素早く殺し、
大きなマンデブル(大あご)から、液状食をします。
この猛毒はムシが作っているのではなく、細菌の起源です。

待ち伏せ型の捕食者ですから、餌の安定供給がむつかしいので、
その年に捕まえた餌の量に応じて、2年または3年で1世代を完結しますが、
繁殖の同期化のために太陽と月の周期を読んで、真夏の一番日の長いころに羽化します。

竜野市のかたからアカマダラコガネ(または最近アカマダラハナムグリ)をいただきました。
絶滅危惧種で猛禽の巣で育つのだそうです。

ヤモリは3匹いますが、灰褐色のが1匹で、普通に見る色、
後の2匹は黒褐色です。
後者は休眠色ですか?
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あまりこの色はみかけませんね。
メラトニンが高いのでしょうか?

今日も、一日家族連れでにぎわいました。
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(報告、一日館長:竹田真木生)
by konchukan1 | 2017-05-20 06:55 | 佐用町昆虫館日誌 | Comments(0)