佐用町昆虫館オフィシャルブログ


by konchukan1

第二次陸前高田市立博物館支援

三木進です。

7月19日(火)から25日(月)にかけて、
二度目のレスキューに行って来ました。

家族会員の妻との二人旅でした。

迫り来る大型台風に、計画の変更を覚悟していましたが、
無事、いわて花巻空港着。
1時に花巻を出て陸前高田市へ、
さらに陸前高田市立博物館(旧生出小学校)へ回って、
水沢インターから盛岡、滝沢インターを経て宿の網張温泉までの300キロ弱。
それを4時間半でこなす、強行軍。

陸前高田市は、地盤沈下が著しく、このところの雨でまるで湖のようでした。
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中央、右手上に被災した陸前高田市立博物館の建物が見えます。6月は埃の中、今は浸水が進んでいました。

車でさらに30分弱、山間部にある旧生出小学校に。
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20人以上の皆さんが、
文書や拓本、民具、漁具から化石、貝類の標本などの修復に当たっておられました。
20歳代の女性が多かったです。

再建に励む熊谷さんや砂田さん、前館長、女性の鈴木さん、及川さんらが迎えてくださいました。

今回、宮武頼夫(元大阪市立自然史博物館長)、水野辰彦(カミキリ屋)、
清水哲也(放射光施設スプリング8研究者、昆虫写真)、
山本勝也(北須磨自然観察クラブ代表)、前藤薫(神戸大学教授)、
谷角素彦(月刊むし社)、岡田浩資(カミキリ屋)、
谷田昌也(蛾屋)、内藤親彦(NPO法人こどもとむしの会理事長、ハバチの権威)の各氏と、
私の10人からの採集、標本作成用具を詰めたダンボール箱4個は、宅配便で、すでに到着。
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一覧表をお渡しすると、砂田さんは、皆様のお名前を、内容を何度も読み、
「谷角さんには、2度出会った。この方は…」と話されていました。

熊谷さんは、私が当日持ち込んだ長竿3本を前に「これでゼフが採れる」と喜んでくださいました。
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一覧表を読む砂田、熊谷さんに、前館長の3人。

余分があれば、陸前高田市立博物館(旧生出小学校)から、
採集、標本作成道具を希望される被災者にお配りくださるよう、
お願いしてきました。
被災した虫屋さんの心の復旧、復興基地になればと願います。
それが「こどもとむしの会の皆の思いです」と託してきました。

何とか宿の夕食に間に合ったものの、ムチャをした初日でした。


2日目から5日目までは、岩手県立博物館で藤井千春先生のご指導の元、
まじめに修復作業に励みました。岩手蟲の会の千葉先生が、ご夫妻で合流してくださるなど、
とても充実した日々でした。
うれしかったのは、前回修復した標本が燻蒸を終え、収蔵庫に収まっていたことです。
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そして作業も進んでいました。
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「私に何ができるの?」と、ややご機嫌斜めだった嫁さんは、
ソーティングから入り、
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泥落とし塩抜きも、持ち前の集中力と根気で克服。いつの間にか、「私に向いているかも!」とのたまい、
私の作業に「もう一回やり直し」とダメ出しするまでに。

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ややこしい蛾のサンプルに挑戦。
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左の開いているところのを、修復し右に。
最終的には、
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このように。
まる2日かかった作業でした。
作業が済んだ標本箱には、泥とガラスがあるだけ。
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岩手が誇る明治の博物学者・鳥羽源蔵氏の標本も、少し修復しましたが、
中に、竹串で作った昆虫ピンを見つけ感激。針の交換も考えましたが、
見事に一体化しており、当然のこととしてそのままにしておきました。
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前回、標本箱ナンバー100から作業し、95まで。今回はいくつかやって78で終わりました。
このほかに、先の鳥羽源蔵さんの標本や、タッパーに入ったのやら、
大型ドイツ箱にして200箱分くらい、残っています。
みなさん、どんどんレスキューにご参加下さい。
今回、ど素人の嫁さんが参加することで、
指導する人と、本人の「どうすればうまくできるか」という探究心があれば、
初めての人でも、十分できることがわかりました。
出来る範囲で、陸奥(みちのく)の蟲のデータを拾いましょう。

今回は、国立科学博物館、千葉県立博物館、新聞社等の取材も受けました。


残る2日半は、自分達のために使いました。盛岡から八幡平を通って秋田県の乳頭温泉に。
そしてお花畑が有名な秋田駒ケ岳に登りました。

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八幡平から乳頭温泉は、最高のアルペンルートです。後ろにそびえるのは岩手山。
秋田駒ケ岳には、ニッコウキスゲが一面に。
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コマクサもロックガーデンに。
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眼下の田沢湖は素晴らしく、
「ムーミン谷」の愛称を持つお花畑にただ一筋続くトレイルは、
乳頭温泉の素晴らしさとともに、忘れられません。

というのは表向きで、カミキリ屋がシーズンに岩手、秋田に来たのは、
「東北」「陸奥(みちのく)」の名を冠する3種のため。
6月にミチノクケマダラカミキリとトウホクヒメハナカミキリを落としたので、
残るはミチノクヒメハナカミキリただ一種。
東北地方の高標高地に限って分布し、さらに個体数も少ないときている。
おまけに八幡平も秋田駒ケ岳も頂上部は特別保護区。採集は絶対に、ご法度。
事前に、除外地域をチェックして行ったが、さて結果は…。
長々と、ありがとうございました。
(報告:三木進)
by konchukan1 | 2011-07-30 17:51 | 東北支援 | Comments(0)